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買い方シミュレーション

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2017.10.12

不動産の買い方シミュレーション~あなたに合うパターンを選ぼう~

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マンションは人生でも一位二位を争うほど、高価な買い物です。

 

その支払い金額の内訳は主に

 

  • 頭金の有無
  • 金利の割合
  • 返済期間の違い

 

などにより左右され、さらに繰り上げ返済・ボーナス返済で、まとまったお金がある時にその都度早めに返済することで、利息を節約するという手段もあります。

 

……とはいっても、専門用語ばかりで分かりづらいですよね。

 

ですが、これらの知識を正しく理解することで、お得にマンションを購入することができるかもしれません。

 

 

購入の際は、収支のバランスを計算し、自分に合ったプランを選択する必要があります。

 

今回は、マンションを自分に合った支払い方法でおトクに購入するための予備知識をご紹介します!

 

 

 

不動産の支払い金額の構成

 

 

 

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マンションを購入すると、住宅ローンを組んで毎月少しずつ返済していくことになりますが、月々の支払い金額を決定する要素として、頭金、金利、返済期間などが挙げられます。

 

 

 

頭金

 

 

まずは頭金について解説します。頭金は、住居を購入した際に、ローンとは別に最初に支払うまとまったお金です。

 

頭金の金額が大きいほど、住宅ローンの借入額が少なく済むので、毎月の住宅ローン返済額も少なく済みます。

 

 

「毎月支払えるのはこの金額!」とあらかじめ決めているようであれば、頭金をいくら支払えるかで借り入れできる住宅ローンの金額が異なります。

 

つまり、購入できるマンションの金額も変わってくるのです。

 

 

 

金利

 

 

次に、住宅ローンの金利について解説します。

 

家を購入する際、住宅ローンを組む=お金を借りることになり、借りた対価として利息がつきます。

 

そして金利とは、借りている額(元金)に対し、支払う利息の割合のことを指します。

 

また、元金に対する1年間の利息の割合を年利(年率)と呼びます。

 

 

たとえば、100万円借り入れし、年間の利息が2万円だった場合、年利2%ということになります。

 

 

実際には、毎月返済をすることで元金が減るため、それにともなって毎月の利息額も減っていきます。

 

金利が高いほど支払い額も多くなり、たとえ1%の違いであっても総額で見ると大きな額になります。

 

 

住宅ローンの金利タイプは、金利の見直しの時期の違いから「変動金利型」「固定金利選択型」「全期間固定金利型」の三つのタイプに分けることができます。

 

どのタイプが有利なのかは、借り入れる時期の景気に左右されます。

 

 

 

変動金利型

 

 

半年ごとに金利を見直すタイプです。ただし、返済額は5年ごとに見直される場合があります。

 

 

 

固定金利期間選択型

 

 

最初の数年間の金利が固定されているタイプです。

 

固定された特約期間のあいだは、金利は変わりません。特約期間が終了すると、その後変動金利型にするか、固定期間選択型にするかを選ぶことができます。

 

 

 

全期間固定金利型

 

 

借り入れから返済が終了するまでのあいだ、金利も毎月の返済額もずっと一定のタイプです。

 

 

 

支払い期間

 

 

最後に、支払い期間について解説します。

 

支払いを始める年齢などによっても異なりますが、住宅ローンでは返済期間35年のプランが一般的です。

 

 

返済期間が長いほど毎月の返済額は少なくなりますが、お金を借りている期間が長いほど利息がついてしまうため、支払いの総額は多くなります。

逆に返済期間が短いほど、毎月の返済額は多く、支払いの総額は少なくなります。

 

原則として返済期間は延長できないため、できれば返済期間は長めに設定しておいたほうがいいでしょう。

 

また、安定した収入を得られる年齢のうちに、ローンの支払いを完了することができるように設定することが望ましいです。

 

毎月いくら支払うことができるのか、収入と支出の増減を考えたうえで、ある程度のゆとりをもって支払い期間を決める必要があるでしょう。

 

 

 

不動産購入のシミュレーション

 

 

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では実際に、3,000万円の新築マンションを購入したという設定で、支払い総額はいくらになるのか、月々の支払い総額はいくらになるのかをシミュレーションをしていきましょう。
(金利は2%、返済期間は35年とします。)

 

 

頭金0円の場合

 

頭金が0円で、途中で繰り上げ返済などをしない場合、支払いは以下のようになります。

 

支払い総額:約4,158万円

毎月の支払額:約9.9万円

 

 

 

頭金500万円の場合

 

 

頭金が500万円で、途中で繰り上げ返済などをしない場合、支払いは以下のようになります。

 

支払い総額:約3,486万円

毎月の支払額:約8.3万円

 

 

繰り上げ返済

 

繰り上げ返済とは、お金に余裕ができた場合に、毎月のローン支払い額とは別にまとまったお金を払うことです。

 

 

これによって、その後の月々のローン支払い額を軽減したり(返済額軽減型)、支払い期間を短くしたり(期間短縮型)できます。

 

また、前倒しして元金を減らすことになり、利息も軽減されます。

 

 

「返済額軽減型」より「期間短縮型」のほうが、支払い総額を減らすことができます。

 

ただし繰り上げ返済は、余裕をもって行わないと、何か急な出費があった際や収支のバランスが崩れてしまった際に困るので、あまり無理をしないことが大切です。

 

 

例えば、5年に1度、100万円の繰上げ返済を期間短縮型でするとき、以下のようになります。

 

  • 頭金0円の場合

 

支払い総額:約3,964万円

毎月の支払額:約9.9万円

支払い期間:29年1ヶ月

 

 

 

  • 頭金500万円の場合

 

支払い総額:約3,276万円

毎月の支払額:約8.2万円

支払い期間:28年

 

 

 

ボーナス返済

 

 

ボーナス時のみ返済額を増やすよう、あらかじめ設定しておくこともできます。

 

これを1回のボーナスにつき数万円だけでも設定しておくことで、毎月の支払額は上げずに返済期間を短縮することも、返済期間を変えずに毎月の支払額を軽減することもできます。

 

ただし、ボーナスの額は景気や会社の業績に左右されるため、利用する場合は万が一減額しても支払える額に設定することが大切です。

 

 

 

不動産購入の計画の立て方

 

 

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マンションを購入してローンを組む際には、頭金と金利・支払い期間によって支払い計画が変わることが、ご理解いただけたかと思います。

 

これによって購入できるマンションの金額も変わるので、できれば探し始める前に目星をつけたいですよね。

 

 

では、どのような順序で考えていくのがスムーズなのでしょうか。

 

 

 

頭金は貯蓄する?

 

まずは、現状の貯金と収入で考えられる、頭金を決めるのがスムーズでしょう。

 

 

住宅を購入する際に必要なのは頭金だけではありません。

 

そのほかに、各種書類の印紙代や、登記費用、ローン事務手数料、団体信用保険料や火災保険料、固定資産税精算金、仲介手数料などの諸費用や、引っ越し代、家具の買い替え・購入費用なども必要になります。

 

 

そのため、あまり手元のお金に余裕がないという場合であれば、頭金は0円にして、その分を諸費用に充てるという方法もあります。

 

 

手元のお金に余裕があるという方でも、頭金を0円にすれば貯蓄として利用することができます。

 

引っ越したとたん貯蓄がゼロでローンを背負っている……では、心が重くなってしまいますよね。

 

 

頭金を0円にするかどうかは、想定していた頭金の分の返済が終わるまでの金利がいくらなのかによって決めると良いでしょう。

 

 

 

生活最低資金を考える

 

 

月々の返済額を決めるにあたって、自分の生活にいくらかかっているのかを考えてみましょう。

 

 

具体的には、水道・光熱費、食費、雑費などを組み入れて、無理なく生活を送るためには毎月最低いくら必要になるのかを計算します。

 

また、美容院や服代などは、不定期ですが意外と出費しているものです。甘くみず、これらについても考慮しておくと良いでしょう。

 

 

 

収入から月々の支払い限度額を考える

 

 

たとえば「月々の支払いは収入の10%程度」「今支払っている家賃+○万円までなら出せる」、というように、自身の収入の額から毎月の支払い額を考えましょう。

 

この際、先ほどの生活最低資金も考慮に入れる必要があります。

 

 

また、この際に盲点になりがちな資金計画がずれるポイントとして、以下のようなことが挙げられます。

 

 

 

結婚・教育費・養育費などによる支出

 

 

将来、結婚したり、子供ができたりした際に支出が増加する可能性があります。

 

 

 

マンションの管理費・修繕積立金などによる支出

 

 

マンションを購入すると、ローンの返済だけでなく、マンションへ管理費・修繕積立金を支払う必要があります。

 

 

 

金利の上昇

 

 

これは変動金利の場合に言えることですが、金利が上昇した場合にも備えておきましょう。

 

 

 

返済期間を考える

 

 

定年や結婚などのライフプランも念頭に置きつつ、返済期間を考えます。

 

月々の支払額は決まっているので、これによってローンで借りられる総額が変わります。

 

 

35年間が一般的ではありますが、年齢的に気になる方は繰上げ返済を前提にするか、30年間にしてボーナス払いを設定するかを考えましょう。

 

 

 

まとめ

 

 

住宅ローンの支払いの仕方にはさまざまな方法があり、支払い方法や金利の小さなちがいによって支払総額が大きく異なってくることもあります。

 

自分に合った支払い方法で、余裕を持った返済計画を立てることが大切です。

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