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2017.10.12
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マンションを選ぶ時には、自分の希望やライフスタイルに合わせて最適な条件の物件を探し当てたいものですよね。
検討する条件としては立地や広さ、内装・外装などが挙げられますが、やはりお金のことも考えないわけにはいきません。
「こんな設備まであるなんて! でも、これのせいで高くなっていたりするのかしら?」
こんな風に思ったことはありませんか?
不必要な出費をできる限り省けば、その分ワンランク上のお部屋を選べたり、素敵な家具を揃えたり……と、選択肢を広げることにもつながります。
そこで今回の記事では、マンションの「共用部」「専有部」とその設備について注目していきます。
実はこれらのオプションは各物件によってかなり違いがあり、金額にも想像以上に大きな影響を与えるのです。
まずは、「専有部」がどこを指すのかをおさえておきましょう。
法律によると、
1.ひとつの建物の中で、構造上分けられた部分
2.住居や店舗、事務所、倉庫など建物として使うことができる部分
という2つを満たすのが専有部とされていて、
簡単に言うと、床や天井・壁に囲まれた居住スペースがこれに当てはまります。
共用部と呼ばれる部分は、大きく2つに分けることができます。
一つ目は、廊下や階段・エレベーター室など、マンションに住んでいる人が共用する部分と、電気・電話の配線や水道・ガスの配管の一定部分などを合わせたもので、法律で定められている「法定共用部分」と呼ばれます。
これに対して、マンションの規約によって共用部とされている部屋(会議室や管理人室など)と建物(集会所や倉庫、車庫など)は「規約共用部分」と呼ばれます。
この共用部にある設備はマンションによってそれぞれですが、最近はラウンジやプールなど、共用部の設備の充実を売りにしているマンションもあります。
共用部とその設備の維持・管理のため、家賃とは別に徴収されるのが、共益費や管理費と呼ばれるお金です。
費用の相場はどのくらいなのでしょうか?
国土交通省によるマンション総合調査の結果から、月/戸当たり管理費を見てみましょう。
・駐車場使用料等からの充当額を含む月/戸当たりの管理費の総額の平均:15,257円
総戸数規模が大きくなるほど低くなる傾向にある
形態別の平均は、単棟型が15,970円、団地型が13,134円
・駐車場使用料等からの充当額を除く月/戸当たりの管理費の額の平均:10,661円
総戸数規模が大きくなるほど低くなる傾向にある
形態別の平均は、単棟型が11,147 円、団地型が9,075円
出典:平成25年度マンション総合調査結果〔概要編〕
・http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/tenpu/so-12.pdf
つまり、平均的にはひと月当たり1万円前後の管理費を支払わなければならないのです。
マンションによっては平均の2倍、3倍以上のこともあります。
毎月となるとそれなりの出費ですよね。
もし、生活に必ずしも必要とは言えない、自分はあまり利用しない共用部があるとすれば、そのぶん無駄に管理費を多く払っていることになります。
自分にとって必要のない設備の維持管理には、出来るだけお金をかけたくありませんよね。
マンションを選ぶ際には、どのような共用部が自分に合っているのか・合っていないのかを判断できるようにして、気を配るようにしましょう。
では、どんな共用設備があったら嬉しいでしょうか? 今回は、オススメの設備を3つ紹介します。
ネットショッピングをよく利用するけれど、平日は仕事で家にいないため、いつも再配達をお願いしてばかり…という方にオススメなのが、宅配ボックスです。
宅配ボックスがあれば、荷物を届けに来たときに家にいなくても、ボックスに荷物を届けておいてくれます。
これがあれば、再配達をお願いする必要がなくなりますね。
毎日のように宅配便を受け取る方にとっては、非常に便利な設備です。
ディスポーザーとは、生ゴミを粉砕し、そのまま下水に流してくれる装置です。いつも忙しく、家事を出来るだけ時短したい! という方には特にオススメです。
自室にあるため専有部のものでは? と思われがちですが、実はマンション単位で設置してメンテナンス費用は管理費に入る、れっきとした共用設備なのです。
ゴミ収集の日まで家に生ゴミを置いておくと、臭いが気になることもありますよね。
ディスポーザーがあれば、シンクにそのまま生ゴミを流すことができるので洗い物が楽チンになる上、ゴミを溜めることなく処理できます。
自炊をしていると生ゴミは毎日発生しますし、少しでも溜まると嫌な臭いが気になるもの。日常的に利用できる便利な装置ですね。
共有部であるエントランスに、アロマディフューザーが設置されているマンションもあります。
これがあれば、単なるマンションの入り口ではなく、仕事から帰宅して自分の部屋に入る前にホッとリラックスできる憩いの場となることでしょう。
また、素敵な香りのある生活に憧れるものの、ディフューザーやオイルを買い揃えるほどでは…という方も、毎日マンションへ出入りするだけで気軽にアロマを楽しめますね。
では逆に、一見便利そうに見えるけど、実はそんなに使わないような設備を紹介します。
住人の家族や友達が泊まれるゲストルームを用意しているマンションもあります。
休日は1人でゆっくり過ごしたい、複数の人を家に呼ぶような機会があまりない、という方は、必要性を感じないかもしれませんね。
友人や親戚が集う機会が頻繁にある方にとっては、格安で宿泊できる場として便利に使えるかもしれません。
有料の自習スペースを借りたりカフェへ通って作業したりすることなく、自分の住んでいるマンションの中で集中できる環境があるのは魅力的ですよね。
ただ、自分の部屋へ簡単に戻ることができるのはメリットともデメリットとも言えます。
「ちょっと帰って休憩しよう」のつもりでその日の作業はおしまいになってしまう、なんてこともあるかもしれません。
また、わざわざ自習スペースまで行くのが億劫で、それなら自室で……と思ってしまう人もいるようです。
仕事を持ち帰ることが多く、自分の部屋ではなかなか集中できない、という方には役立ちそうですね。
広々とした大浴場は一見すると魅力的ですし、お風呂のお湯がたまるのを待つ時間を短縮できます。
しかし、お湯を循環させるためのポンプや水道代、また脱衣所の維持管理費など、色々なコストがかかってしまう施設です。
多少お金がかかっても、日々の疲れを広いお風呂で癒したい! という方にはオススメといえるでしょう。
マンションを購入される方は、共用部についてどう思っているのでしょうか。
実家の改築を機に一人暮らしを決意した中田さん(30代後半)は、様々な物件を比べるなかで見つけた新築のマンションに、自分にとってあまり必要でないと感じる広いロビーや応接スペースといった共用部が少ないという点をメリットに感じたそう。
共用部の見極めがマンション選びの重要なポイントとなるわけですね。
中田さんへのインタビュー記事はこちら↓
・https://sumikatalab.com/interview/detail01.html
支払う金額だけではなく、支払うお金がどのように使われるのかを考えてみるのも大切なことが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
色々な観点からマンションについて考えることが、選択肢を広げてより豊かな暮らしを実現するヒントになるはずです。
今回の記事で紹介した「共用部の設備」は、自分の生活にとってどのくらい便利で、どのくらいの頻度で使うものなのか考えるのがポイントです。
管理費は毎月払うことになるものですから、購入の時点で無駄なお金を払うことになってしまわないか、よくよく考えてみましょう。
ライフスタイルに合わせ、無駄を省いたマンション選びを心がけましょう!