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2018.02.06
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自分のマンションが欲しい! と思い立っても、大きなお金を動かすことになるかもしれない、払えるかわからないし払い方もよく知らない、と心配になる方もいるでしょう。
住宅ローンは長期に渡って払い続けるものですし、制度も複雑そうに思えますよね。
ですが、きちんと理解して行えば安全で便利な制度ですし、極端に恐れるものではありません。
今回は、ローンとは何か、ローンとはどうするのか、などを詳しく説明していきます。
そもそも、住宅ローンとはどういうものなのでしょう?
家は高価なものなので、一度に全額を払える潤沢な貯金がある人はそうそういません。
そこで、利子が加算される代わりに、20年・30年といった長期にわたって分割で支払いできるようにしたものが住宅ローンです。
ローンを組む際は、自分の収入や返済能力に見合った金額・返済期間で組むことになります。このため、支払いの感覚は賃貸の場合の家賃と似ています。
なお、単に「ローン」と呼ぶ場合は、一般的な、長期的に低額支払いを続けることで費用を完済するもの全般を指し、「住宅ローン」は自宅の購入のみにしか使えないものをさします。
住宅ローンは、通常のローンよりも金利が安く設定されています。
支払いの感覚が同じなら、賃貸マンションへ住み続けず、わざわざ住宅ローンでマンションを購入することには、どのような意味があるのでしょう。
賃貸の場合、家を借りる対価としてお金を払っているだけなので、手元には何も残りません。
一方ローンであれば、毎月払っているお金は家の代金の一部なのです。
つまり、返済が終わる頃には、払ってきたお金が家という形で自分の資産になるのです。
資産があれば貸す、売る、等選択肢は広がります。
これが、ただ払い続けるだけの賃貸との決定的な違いなのです。
とはいえ、貯金すればもっと広くて良いマンションを購入できそうだし、今は賃貸でもいいか、と考えている方もいるかもしれません。
しかしその場合、家賃を払いながら家のための貯金もすることになるので、結果的にはすぐにローンで購入した場合の二倍程度の額が必要になります。
「お金が貯まってから……」と思って賃貸に住み続けるのは、意外にも購入への道を遠ざけていることになってしまうのです。
では、実際に住宅ローンを組んでマンションを購入するとして、どのような種類があって、どう選べばよいのでしょうか。
ここでは住宅ローンの種類と担い手についてみていきましょう。
まずは金利の方式から考えてみましょう。
住宅ローンの金利は三種類あり、固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型となっています。また、場合によってはこれらが組合わさったものもあります。
それぞれみていきます。
借入時に全期間の適用金利がきまっているものを、固定金利型と呼びます。
つまり、完済までずっと同じ金利が適用されるのです。
世間の金利は景気などで上下するものですが、このタイプは変動の影響がなく、返済額が一定になります。このため、支払いの見通しが安定するメリットがあります。
ただし、他のタイプよりも高めに設定されています。
また、金利が低い時に固定すれば得をする一方、高い時に固定してしまうと損する可能性があります。
適用する金利を定期的にその時の世間の金利に合わせ、返済していくタイプが、変動金利型です。
金利が変動すると返済額もそれに応じて変わるため、支払いの見通しが立てにくい、というデメリットがあります。
ですが、借入れたあとで金利が低下した場合は、固定金利制よりも得することになります。逆に金利が上昇すると、固定金利制の方が得をします。
上の二つを混合したタイプが、固定金利期間選択型です。
最初に設定した期間は金利を固定しておき、その後は変動金利型へ移行するか、その時点の金利でまた一定期間固定しておくかを選択します。
このタイプは自由度が高く、金利状況によりこまめに調整できるので、リスクを減らすタイプと言えるでしょう。現在これが最も多く使われています。
これら金利の方式や、固定金利期間選択型の場合の固定する期間は、借り入れる時期の景気などを考えて選ぶと良いでしょう。
では、どのような機関が住宅ローンを提供しているのでしょうか。
銀行がすぐに思い浮かびますが、銀行以外にも融資を受けられる機関はあります。
また、機関によって審査の基準が違うこともあります。スムーズに契約を完了させるためにも、一通り利用できる機関は知っておきましょう。
機関には公的なものと民間のものの二種類があります。
公的なものには、自治体融資、財形住宅融資などがあります。
自治体融資とは、都道府県などの地方自治体によるものです。
財形住宅融資とは、住宅金融支機構などが財形貯蓄をしている方に行うものです。
民間のものには、銀行、信用金庫、信用組合、住宅ローン専門会社、生命保険会社などがあります。
なお、「フラット35」という代表的なプランは、住宅金融支援機構が民間と共同で提供しているもので、一般的には公的なローンとして認識されています。
ここでフラット35について、さらに説明しておきましょう。
フラット35はお得なプランとして広く人気を集めていて、固定金利制です。
一定の基準をみたせば、比較的低い金利で最長35年という長期間で組めて、保証金が不要、というメリットがあります。
幅広く様々な機関で利用でき、フラット35Sなど、派生したプランもあります。
フラット35は人気ですが、最近は民間からお得で特典の充実したプランも登場しているので、まずはよく調べてみると良いでしょう。
決めかねた場合は不動産業者に相談してみるなど、慎重に選ぶことをオススメします。
マンションを購入する場合、ふつうは購入の契約の時に頭金としてまとまったお金を払い、残りの金額を住宅ローンで組むことになります。
頭金が多ければ返済額が少なくなり、ローンが組みやすくなります。
とはいえ最近は、頭金がゼロでも組める住宅ローンも登場しているので、審査で問題なければ選択肢に入れるのも良いでしょう。
また、返済期間についても自分で選択することになります。
こちらは定年までの期間と月々の返済額の兼ね合いで、無理のないように組めると良いですね。
住宅ローンには様々な種類がありますが、申し込めば誰でも利用できる、というものではありません。どれを選んでも、利用するには審査を通らなければならないのです。
最後に、審査の流れと概要について説明しましょう。
審査には事前審査(仮審査)と本審査の二種類があります。
必ずしも両方をするわけではありませんが、それぞれ説明していきます。
事前審査は、銀行や金融機関に依頼して、「もしローンを組もうとしたら承諾されるのかどうか」を確認してもらうものです。
購入する物件を決めたら契約前に行って、1日〜1週間の内には結果がわかります。
あくまで申込者がローンを組めるかを事前に把握しておくためのものなので、これに通ったから住宅ローン契約が確定する、というわけではありません。
本審査はローンを組むためには必ず通る必要があります。こちらは一週間から一ヶ月程度かかります。
融資する機関や、保証会社を利用する場合は保証会社が、その人に融資できるかをはかるもので、基準点は機関により異なります。
例えば、年齢、年収、返済負担率、勤続年数、クレジットカードなどの返済履歴、国籍などが考慮されます。
事前審査に通ったからといってこちらの審査も必ず通れるかというと、そういうわけではありません。場合によっては融資の減額もありえます。
どちらの審査でも、本人確認のできる書類や収入に関する書類、物件情報など様々な書類が求められますから、一つ一つ丁寧に準備しておきましょう。
結びの前に、保証人や連帯保証人のいらないローンについてお話ししておきます。
保証人や連帯保証人とは、契約者が支払いできなくなった場合に代わりに払う人のことで、保証会社はこの代わりをしてくれる会社です。
嬉しいことに最近は保証人が不用で、保証会社に保証を依頼する住宅ローンが多くなっています。
フラット35もほとんどの場合これに該当します。
保証人を立てるとなると、お願いする人に迷惑をかけるかもしれない……と思って悩んでいる方にとっては心強いですよね。
住宅ローンの概要について説明してきましたが、いかがでしたか?
ローンは種類も組み方も様々で、少し複雑な部分もあります。
すべてを完全に理解するのは大変ですが、わからないことはプロに聞いてみて、できる限り理解できるようにしておきましょう。
自分にあった住宅ローンで、無理のない返済をできるように心がけられると良いですね。